別れを選んだら、それもまた正解だ。
柿原徹也さんを応援していた。
4/27.28にメットライフドームに開催されたKiramune Music Festival 2019を最後に、私は柿原徹也さんのファンを降りた。
私が声優としての柿原さんを認知してファンになったのは『クロスゲーム』からで、代表作の『天元突破グレンラガン』や『FAIRY TAIL』は後からDVDで追いかけた。
Kiramuneでのアーティスト活動についても、初めてリリイベが当たったのは『GENERATIONS』で、私は最初の103人ではない。
大してファン歴が長かった訳では無い、と言われてしまえばそこまでなのだが、自分の中でけじめというか、区切りをつけたくてこの文章を書くので、そこはご容赦願いたい。
柿原さんは真っ直ぐな人だ。
自分の考えをしっかり持っていて、それをきちんと発信できる人。
好きなことは「好き」と言葉にする。逆もまた然り。
『ダンディギ・ダン』のMCで「ライブはデート」(チケットを取ってからその日のために服とかメイクとか色々な準備をしてきてくれるから)という発言が出た時にはすごいなと月並みだが思った。
声や歌の他にも、そういった素直さが好きだった。
だが、その素直さが裏目に出てしまうことも少なくなかった。
柿原さんは誤解されやすい。
ファンにとっては特に何も思わないようなことでも、柿原さんの人柄をあまり知らない人には「その発言ってどうなの?」と言われてしまっているところをSNS等で見たことがある。
少しモヤモヤしながらも柿原さんを追いかけ続けていたのだが、昨年5月、『I for U』のリリイベの時からそのモヤモヤは大きくなり始めた。
柿原さんの一昨年のライブツアー『DRUNKER』の幕張公演で販売されたTシャツに脱字があった。
柿原さんは持ち前の素直さ(思ったことをすぐ口に出す)で「脱字を書く会をする」といった旨を話した。
その次のCD『トコナツウェーブ』からリリイベでその会が開かれていたように思う。
私はなかなかリリイベが当たらず、その『I for U』のリリイベでやっと当選し、その脱字を書いてもらおうとTシャツを持っていった。
しかし、そのリリイベで脱字Tシャツが高額転売されているというアナウンスがあった。
そのTシャツをリリイベに持っていけば柿原さんの直筆がもらえるから、ということらしい。
その事に対して、柿原さんは怒っていた。
怒りが前面に出ていて、正直怖かった。
柿原さんのライブやイベントは柿原さんの発言内容のレポートが禁止されているため、具体的な言葉は避けるが、かなり過激な発言があった。
そこから先はよく覚えていない。
ただ、言いすぎたと思ったのか、少しフォローするようなことを言っていたような気がする。
あと覚えていることは、「転売で買ったわけではないけどTシャツ出しづらいなあ」と思ったことぐらいだ。
問題はその後、リリイベに参加したファンが柿原さんの発言をそのままSNSに上げたことだ。
勿論悪いのは転売をした人、それを買った人だ。
しかし、柿原さんの発言はファンからしても過激なものだった。
それを事情やその場の空気を理解していない柿原さんのファンではない人が見たらどう感じるか、考えなくてもわかる。
そもそも前述の通り、柿原さんのイベント内容は基本的に口外禁止だ。
「転売はダメだよ。柿原さん怒ってたよ。」だけで済むことではないのか?
何故禁止事項を破ってまでファンが応援している人の評価を下げようとするのか?
ファンに対しての怒りがまず湧いてきた。
しかし、時間が経って冷静になり、改めて周囲の反応を見て「人気商売の人が誤解を生むような発言をするのはどうなのだろう」と思うようになってしまった。
柿原さんは声優で、声で演技をしたり、歌ったりすることが仕事だ。
でも近年は声優の仕事はそれだけに留まらない。
アニメが放送されればほとんどの作品がイベントを開催するし、DVDが出ればリリイベをするものもある。
人前に出て話す機会が柿原さんが声優を始めた頃とはきっと桁違いに増えたのだと思う。
はじめの方にも書いたが、誤解されやすい性格の柿原さんは、その「誤解されやすい」場面が増えたということになる。
加えて近年はSNSが発達して、顔の見えないやり取りや情報共有ができるようになった。
SNSをやっていない柿原さんは、何か炎上や叩かれるようなことがあっても火消しをする手段すら持っていない。
なら、尚更人前に出る時は発言に配慮するべきではないのか。
ユーモアと失礼は紙一重だと思う。でもユーモアと失礼は180度違う。柿原さんはそれを理解しているのか。
悪いのは転売ヤーではあるのは理解しつつ、柿原さんのせいにしてしまう自分に嫌気がさしながらも、昨年のライブツアーI for Uの複数公演のチケットを手にしていたので、全て行った。
11月に行われたVERSUSも参加した。
やっぱりパフォーマンスが好きだし、もしかしたら今後何か変わるかもしれない。もう少し、もう少しだけ様子を見ながらファンで居続けようと思えた。
明確に降りようと決意したのは今年2月に大阪で開催された王様ジャングル(通称王ジャン)
リリイベの失敗(言葉が違うかもしれないけれど)を経験しているのに、彼は何も変わっていなかった。
嫌な気持ちになる発言があった。
率直に言って、楽しめなかった。
もう、潮時だと思った。
手元にチケットがあったキラフェスに参加して、もうやめよう。そう決意した。
キラフェスから暫く経って、アニメからも離れてみた。
ずっとアニメや声優を追ってきたのに、離れてみても普通に楽しく生活ができた。
それが逆にショックなぐらいだ。
こんなに長々と纏まりの無い文章を書いてきたが、柿原さんを嫌いになったわけではないし、陥れようと考えている訳でもない。
不変で真っ直ぐな柿原さんに、変化していった私は着いて行けなくなってしまっただけだ。
今いるファンの方を大切にして、これからもその真っ直ぐさと素敵なパフォーマンスで色々な人を魅了してほしい、なんて偉そうに聞こえると思うが、本心からそう思っている。
今年のライブツアーも、体調や怪我に気をつけて頑張ってください。
ありがとうございました。
大好きでした。